年下の恋人

GW特別企画
先日上げたりーちゃんのときめきコントの妄想です。
長いですww


はあはあ
くそー!時間があると思って社に顏を出したのがまずかった。
いつも待たせてるから今日こそはと二時間早く家を出たのに、
これでは意味がないではないか。
あいつら休みの人間をこき使いやがって。
僕は走った。
これでも一応体は動かしてるほうだから、
同年齢のやつよりは体力に自信はあるほうだけど、さすがにきつい。
だいたいにして、今日はついてない。
作業が進まず追いすがる後輩をなんとか引き剥がし
指示を出してなんとかめどがたったところで抜け出し
やっとの思いで駅について、
乗ろうと思った電車に一足違いで乗れず、
そのあとの電車が人身事故のため遅れるとか(たいしたことはなかったようだ。)
では、タクシー使えばと思うかも知れないが
これまたありえない渋滞でとても間に合いそうもなく、仕方なく
こうやって走ることになってしまったのだ。
二駅分も・・・_| ̄|○
それでも待ち合わせ場所にはなんとか5分遅れくらいで着いた。
息も絶え絶えであたりを見渡したけど、どうやら彼女はまだきてないようだ。
僕は今朝念入りにアイロンがけしたハンカチをだして
額の汗を拭いながら、安堵の溜め息をついた。

息も整いつつあったとき、ふと視線を感じてみると


Normal_risako_523あ、こっち、こっちです。

と声をかけられた。
そうだよな。
彼女が遅れるはずないよな。
また待たせてしまった。

僕は、ハンカチをしまいながら彼女のほうに向かった。
「こんにちわ、梨沙子ちゃん」
努めて明るく爽やかに

Normal_risako_523ども。

「ここにいたんだね。」


Normal_risako_526髪型変えたから、気づかなかったですか?

「え?」
改めてみると、彼女は髪をおろしていた。
いつも、ポニーテールにしてる姿をよく見るので
そのなんていうか・・大人っぽいな。
ここは言っとくべきだろう。

「うん。大人っぽくていいね」

Normal_risako_526よしっ・・・

彼女は僕に見られないように小さくガッツポーズしてた。
丸見えなんだけどw
喜んでくれたようだ。

「送れちゃってごめん。待ったよね?」

Normal_risako_526い、いえ、全然待ってないです!今・・・来たところで・・す。

これは嘘だろうね。
あー自己嫌悪。
ちょっと気落ちした僕に気づいたのか

Normal_risako_526きょ、今日はどこ行きます?

今日も彼女は元気だw
そう、明るく爽やかに

彼女はとにかく子供あつかいされるのを嫌う。
最初に遊園地に連れていって
その次のデートの時動物園、そして次に水族館に連れて行ったら
帰りに口をきいてくれなくて閉口した。
どうやら、子ども扱いしてるってことが気に入らなかったらしい。
後日、彼女と仲のいい夏焼から聞かされた。
結局その後、一週間電話もメールも無視されつづけ
次の日曜日に直接会いに行って、次のデートは
大人っぽいデートをするということで
ようやく和解した経緯がある。
おとなっぽいってΣ(・ε・;)
と思ったけど、そういわないと納得しなかったんだよね。

だから今日は、ある意味試されているのだ。
僕は、この日のためにネット使って調べたり、
同僚のイケメンの意見を聞いたり(もちろん奴には相手が中学生とは伝えずに)万全の体制にしてきた。





今、ふと思ったけど、電車男だな、これじゃw

「どこか行きたいところある?」

彼女はふるふると首をふる。
こんなしぐさもかわいい。

「よし、じゃあ海行ってみない?」

Normal_risako_526うん!行く!



どうやら、大丈夫のようだ
(; ´。`)ホッ

僕らは、電車を乗り継ぎ
目的地にたどりついた。

ちょうど夕暮れ時になるように集合時間を設定したわけだが
どんぴしゃのタイミングだったみたい。

Normal_risako_523うわあ、きれい・・・

海に沈み行く夕陽を見つめる梨沙子

僕は、夕陽に照らされる彼女のキレイな横顔を見つめた。

しばらく無言の時間が続く。
とても贅沢な時間だ。

夕陽が沈みきり、僕らは無言のままどちらともなしに歩きだす。

Normal_risako_526あの・・・・

ん?なに?

Normal_risako_526あんまり見つめないでください・・・

そういうと、早足で僕の先を行った。
「あ・・・」
反射的に追いかける形になる僕。

少し行った所で、ぴたっととまり
こちらを振り向く

Normal_risako_526照れちゃいますから

僕は追いつき彼女の手を握って歩いた。

ネットで予約してたレストランの時間がきたので
そちらに向かう。
さすがにバーとかそういった場所には連れて行けないので
雰囲気のある海の見えるこのレストランに決めた。

彼女を見ると少し緊張してるみたいだ。
入り口にいき、名前を告げ席に案内してもらう。
とりあえず、ここで評判のメニューを頼んだ。
彼女に聞くと僕と同じものを頼んだ。

料理がくるまで、少し沈黙が訪れる。
なんかすごい緊張感が伝わってくる。
まあ、僕も緊張してたんだけどね。
少しほぐそうと話しかけた。

「どうしたの?ぼんやりして」

Normal_risako_523え?わ、私ぼんやりしてました?

「うん。」

Normal_risako_523いやあ、なんか大人の人ってこんなところでデートするんだなって思って。

「(笑)」

Risako_524あ、笑った!
「いやあ、かわいいなあって思ってさ。」
Risako_524やっぱり私のこと子供だと思ってるんだ・・・

「そんなこと思ってないよ。ほら、食べようよ」

僕はむくれる彼女を諭しながら、はこばれた料理を食べることにする。

Normal_risako_526うわあ、おいしそう!お腹ぺこぺこだったんです。いただきまーす!

「(笑)いただきます」

微笑ましいねw
食べながら、最近の学校のこととか、僕の仕事のこととか
いろんなたわいのない話をした。
こんな時間が楽しくてしょうがない。

楽しい時間はあっという間にすぎるとよく言うけど
まさにそれで、そろそろ帰らなければならない時間になったので
少し散歩しながら帰ることにした。

波の音を背にしながら、しばし余韻を味わう。
ふと彼女が立ち止まった。
Normal_risako_525私、心配なんです。

彼女が言う。

「え?何が?」

いきなり真顔になった彼女の横顔を見ながら僕は問う。

Normal_risako_525だって、先輩もてそうだし、キレイな大人の女の人といっぱい会うんでしょ?

どうやら、さっき話した仕事のことを言ってるらしい。
仕事柄、女の人と会うことが多いみたいな話になったとき
ちょっと表情が翳ったのは覚えてる。

ところで、彼女は僕のことを先輩と呼ぶ。
これにはもちろんわけがある。
決して、僕がそういう趣味だからというわけではない。
誤解してはいけないよ。
僕は休みの日に母校のバド部の練習をみてやってたのだ。
一応それなりの選手だったんだけど
それなりだったのでね。
そこに新入部員として入ってきたのが彼女だった。
入ってきた時えらい美人な子がいるなくらいには思ってたけど、
それだけだった。
僕はもちろん男子を見てたんだけど、
一度女子の顧問の先生が他の生徒が怪我をしたため、
その間女子の練習をみることになりその時に初めて梨沙子と話した。
話してみるとよく笑う子で、最初のイメージとだいぶギャップが
あってすごく印象に残っていた。
それからは、ちょこちょこ話すようになって、
僕はこの子の魅力にひかれていった。

数ヶ月がすぎ
バレンタインの日に手作りチョコレートと緊張した笑顔で告白された。
彼女も僕に好意をもってることは薄々感じてはいたが、
さすがに年齢の事もあって即答はできなかった。
でもこういうのって理屈じゃないんだよね。
自分の思うままに行動しないと必ず後悔する。
・・・あの時のように。
でも、僕は悩んだ。
答えは出ている。
僕は彼女が好きだ。
だけど、そういうプロセスを踏まないと前に進めない質なのだ。
自分でもやっかいだと思うけど、僕は今までそうして生きてきた。
いまさら変えられないし、変えたくはない。
結局一週間悩んだ(悩んだふりともいうがw)挙げ句
なんと答えていいかわからないし、時間もたってしまったので
初めてのデートを申し込むことで、答えとした。

彼女は続ける

Normal_risako_525先輩にとって私、やっぱり妹みたいなものなのかなって

「妹?ははは」
僕はつい笑ってしまった。
う〜ん。現実はぜんぜんもててないし、それに妹というより娘というべきなのだが・・(苦笑)

Risako_524あ!また笑ってる!私だって、クラスの男子に結構人気あるし
なんていうかその・・つまり、もてるんですからね!

どうやら、僕の苦笑がまた子ども扱いしてると彼女は思ったらしく
ムキになっている。
妬かせようとしてるんだろうね。

「そりゃ、梨沙子ちゃんだったら選り取り見取りだろうね」

僕は少し意地悪をしたくなって、言ってみた。

Normal_risako_525え・・・

「それに僕は、梨沙子ちゃんから見たらおじさんだしね。僕には梨沙子ちゃんと付き合う資格なんてないな。やっぱりクラスの男子のほうがあってるよ。」

半分は冗談のつもりだったけど、半分は本当の気持ちだ。やっぱりまだそこらへんのわだかまりはある。

Cap001そ、そんなことないです!年が離れていたって、先輩はとても素敵です。うまく出来なくて落ち込んでたとき、励ましてもらったり、いろんな話を聞かせてくれたり。他にもいっぱい、いっぱいいろんなものを私にくれました。先輩に会ってから、本当に毎日が楽しくて・・・。だから私は先輩のこと、本気で・・・私・・・・

今にも泣き出しそうな表情(泣いていたかも)で彼女は思いのたけを僕に伝えようとしている。

「・・・・」

Risako_524それに・・・もう子供じゃありません!

「う・・・」

Hellogirls34656せ、先輩・・・本当の恋教えてくれますか?








僕は、このとき彼女と恋に落ちた。


fin


画像協力 びあさん